るんぺんパリ【RunPenParis】

詩・詩集・ことばをデザイン・アート・写真 るんぺんパリ【RunPenParis】 以前は「Kマーホ」の名で活動(1999-2002)、詩集「トイレの閃き」「テレビジョン」「おしりとサドルが あいますか」「マガサス星人」「コールサック」「眠立体」6冊の詩集を出版して活動休止。 令和元年(2019)に、「るんぺんパリ【RunPenParis】」の名で活動を再開。 三重県伊賀市(旧上野市)出身 静岡県在住

予報。

やっと見えてきた。だから雨が必要なんだと思う。何も一週間も先の天気予報を本気で信じている訳では無いけど、そこまで予報されると信じてあげたくなるのはいい事なんだよ。でも毎日毎日、一週間先の天気予報見てると一週間が長く見えてきて疲れて来るから、ちょっと気にするぐらいでいいかな。またね

 

実味。

さしすせそで透明なればいいじゃないか。いただきますと同じ効果だと思うよ。愛していますなんて実際は簡単に使わないし、現実味が無い。鼻をつまんで食べた物が美味しい訳じゃない事は実は知られている事なのに、気づかされるのは、いつもくしゃみが出た後の解放感と高揚した周りの空気、そして一瞬。

 

思う。

真実は、よく見えない物に魅かれては、よく見ようとして近づいた後に、諦めて少し離れて見えた物が花なのか何なのかを考えて出た質問だと思う。もうちょっとだけ分かったから確かめる為に、分からないふりをして作った質問には、その真実に近づけた質問になっていると思うよ。だから問題無いと思うよ。

 

無用。

 

傾きの向こうに何があるのだろうかと、更に傾いて見た。何も見えないけど、傾いた事でバランスを覚えた。だからもう何度でも傾けそうな気がしてきた。最初は背筋を伸ばして座っていた椅子も、そんな気遣いは無用と背中への傾きを誘って来ては、ぼんやりと日差しの入る方へ目が行った。今日はいい天気だ

 

先へ。

矢印について行っていいよ。だけど、その矢印は誰の矢印なんだ。誰が作った矢印なんだ。その誰かも分からない矢印を信じるのか。それは違うだろ、矢印は嘘では無い、見て来い、見て見ろ、見る必要がある、見たら分かる、の矢印だ。ついて来いじゃないし、確かな方向でも無い。ただの矢印だ。好奇心の。

 

記憶。

自分事しか考えてなければ、起こりうる事実は、重要な事実だ。その事実を確認しなければ、重大な事実になる。そうなってからも、その事実を確認しなければ、事実は無かったと記憶を無くす。周りから見えるひび割れは、毎日見ていると見慣れる。見慣れた風景に違和感を沸く事無く、それが誰かの意を欠く