電車はふとした時にガタガタと音が聞こえて、今度はどっち向きの電車かな、なんて退屈だった時は車の数を数えてたし、何か自分で考えて遊びなさいなんてのは一番難しい問題で、正しい答えを誰も教えてくれない。
女の子と遊ぶ事が多かったよ。まだ保育園の頃は、いつも誘ってくれる女の子はとても明るくて、とても自由に、とても一緒にいるとわくわくしたんだ。もう一人、静かな女の子がいて、3人で遊んだ事をよく覚えてるよ。小さな男の子のお家に3人で行って、その子と4人で写った写真が出てきたのは、もう中学生になる頃だった。あの頃にいつも遊んだ女の子は小学校の頃に転校して、もう遊ぶ事は無くなったけど、たくさん笑う事を初めて教えてくれたのはあの女の子だった。
集合住宅では子供たちがどこからか声がして、家の中からでも何かを感じて外へ飛び出しては、「仲間に入れて」と沢山遊んだ。一番近くに住んでた子は人気者で、少し離れて住んでた子はよくケンカしたけど、よく仲直りして遊んだ。そういえば、かるたに出てきたイルカを、サメだと言って大ゲンカをして最後はイルカだと分かって負けた事があった、よくケンカして遊んだ子はやさしくて、すぐ謝れない事をずっと待ってくれてた。たくさんの仲直りを初めて教えてくれたのはあのケンカ友達だった。転校していくケンカ友達に送ったプレゼントは苦手なプラモデルをあげたよ。
サッカーも野球も何が難しいってルールなんだよ。ルールを知らないだろって仲間外れにされて、それでもサッカーがやってみたいし、野球もやってみたい、どうすればいいのかわからないけど、近くでじっと座り込んで見てた、同級生はルールが分かってるから楽しそうにしてたよ。やっぱり負けたくない気持ちが何かを動かしてくれる。よく見たしよく言葉を聞いてた。ルールはわかって来たけど、やった事が無いから仲間外れにされた。その日は悔しくて家で沢山泣いてたら、母親が理由を聞いてくれて、仲間に入れてくれるように頼んでくれたんだ。このチャンスに思いっきりバットを振ったよ全開のバッティングに遠くに見えなくなったボールに仲間になれた。あの集合住宅でたくさんの気持ちが生まれて、たくさんの感情が出来たんだ。中学になる頃、転校する事になった、もうあの広場で遊ぶ事は無くなったけど、広場にあった大きな土管のトンネル2つはずっと今も気持ちの中で残ってる。急な雨には中に入って雨宿りさ。
12月、一番欲しい物は煙突だ。これが無いとサンタさんは来てくれないんだ。そう今も思ってる。そして本当に欲しい物はいらない。サンタさんも会えなくていいよ。会ったら何か素敵な物をくれるかもしれないけど、もう二度と会えなくなりそうな気もするから。だからいつまでも、サンタさんには会えないでいて欲しいんだ。今年もこんな手紙をサンタさんに書いたよ。
12月25日にサンタさんに会えませんように。メリークリスマス。